俺は28歳。俺には愛する年下の妻がいる。
妻は俺の出掛ける時間に合わせて毎朝5時に起きているのだ。
そして俺の為に弁当を作ってくれている。
俺はそんな妻が大好きだ。
妻が作る弁当はまた格別で、しっかり栄養バランスも考えられ、見た目も色とりどりで
そして何より決め手は「美味い」という最高の弁当なのである。
その弁当を食べた後の仕事は特別にはかどるのだ。
ある朝、妻はいつものように5時に布団から出て台所へ向かった。
でもなんだか様子がひどくダルそうだ。風邪気味なのだろうか。
それでも弁当を作ってくれる妻はなんて優しいのだろう。
その日、妻はいつものように笑顔で俺を見送ってくれた。
だが、やはりどこかダルそうだ。早く元気になってくれれば良いのだが。
さて今日も午前中の仕事を軽くこなし、お楽しみの昼休みの時間が来た。
わくわくしながら弁当のフタを開けた。するとそこには、
★■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■★
v あいするあなた v
v いつもワタシのためにおシゴトごくろうさま v
v あなたはワタシのことを1ばんにかんがえてくれているから v
v あなたとケッコンできてワタシはしあわせよ v
v ワタシがあなたのケンコウにセキニンをもつから v
v あなたはイッショウケンメイおシゴトしてね v
v 出世もしてね v
v カワイイあなたのツマより v
★■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■★
という、海苔を刻んで作った文字が、日の丸弁当の上に
綺麗に並べられていた。
日の丸弁当…。おかずがない…。
手抜きなんだかそうじゃないんだか、どっちにしろ努力した弁当だ。
海苔をこんなに綺麗に刻むとは、妻はなんて器用な女なんだ。
怠けたんじゃない。妻は今日、風邪気味だったんだ。
それなのにここまで愛のこもった弁当を作ってくれる妻は
なんて優しいんだろう。
しかも嬉しい事に海苔が味付け海苔だった。
おかげでご飯を美味しく食べれた。妻は最高に優しい女である。
そして今日も、愛する妻に感謝しながら、空になった弁当の上にフタを乗せた。
そうだ、今日は妻の大好きなイチゴのショートケーキを買って帰ろう。
風邪は大丈夫だろうか。良くなってると良いのだが。
そんな事を思い、俺は仕事の続きをしようとパソコンに手をのばした。
今日はいつも以上に帰るのが楽しみである。
まってておくれ
愛する妻よ。
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